2010.02.23
診療
研究

HbA1cの目標値

昨日、糖尿病の講演会が有りました。
現在、我々が血糖の指標として使っているのはHbA1cで、目標値は6.5%以下となっています。

その目標値が2年後には変わるとの話でした。
というのは、日本で使っているHbA1cはJDS (Japan diabetes society)値を採用していて、アメリカ、ヨーロッパでは、NGSP (National glycohemoglobin standardization program) 値を指標としているそうです。

日本で使っているのはHbA1cで、海外で広く使われているのは、A1Cだそうです。

そして、

A1C (NGSP 値(%))=HbA1c (JDS値(%))+0.4

と言う差があります。
これは、海外での学会発表がNGSP値で行われているので、日本だけ違う値で発表すると不都合が生じるようです。
そのため、日本でも2年後にはNGSP値を基準とすることに決まったそうです。

そうすると、昨日までは、HbA1c6.5で合格と言われていた人が、明日からはA1Cを採血して6.9と言う結果が出てしまいます。

前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSAも、以前はいろいろなはかり方があり、数値の基準も異なっていました。
現在は、同一の基準となっていますので安心ですが、HbA1cの様に広範囲に使われている採血の値が変わるのは現場は混乱し大変でしょうね。

2010.02.23
診療
その他(医療関連)

福島県糖尿病療養指導士認定証

福島県糖尿病療養指導士認定証が本日届きました。
ちょっと恥ずかしいですが、事務さんに一枚写真を撮ってもらいました。
うちの透析室も、糖尿病の方ばかりですので、学んだ知識をこれからの診療に役立てていきたいと思います。

2010.02.21
診療
開業 / 病院経営
その他(医療関連)

限局性前立腺がんの低侵襲治療〜おわり

今回は、限局性前立腺がんの低侵襲治療として、

HIFU(ハイフ)療法
トモセラピー
小線源療法
陽子線治療

を書いてみました。
現局性前立腺がんの治療で最も一般的に行われているのは手術療法です。
その他にも、75歳以上の高齢者では、現局性前立腺がんでもホルモン療法が第一選択とされます。

それぞれ比べてみると、
陽子線治療は300万円の費用がかかりますので、他の治療が有ることを考えるとかなり高額だと思います。

HIFU療法や小線源療法は前立腺内に限局している可能性が特に高い方を選んだ方がいいかと思います。
利点としては、短期間の入院で治療が行えることです。
さらに、HIFU療法では抗凝固剤を止めなくてもできることと、繰り返し出来ると言うメリットもあります。

トモセラピーはかなり良さそうです。
ただ、2ヵ月くらいの間、毎日通わなくてはならないというのが一番のデメリットだと思います。

そして手術療法ですが、最大のメリットは、癌がどこまで進行していたのか、取り切れたのかそうでないかが分かることです。
白黒はっきりするのは手術だけです。

当院では、手術もHIFU療法もトモセラピーも小線源療法もできません。
陽子線治療ももちろんです。
というは、入院さえできませんので。。。

だから、当院の価値は無いとは思っていません。
その方その方によって、病気の進行度も異なりますし、生活スタイルやその時の事情も異なります。
本人が治療方法を迷っている場合や、全く知識が無くてどうすればいいか分からない場合もアドバイスができると考えています。

当院では、市内の泌尿器科がある総合病院の太田西ノ内病院、太田熱海病院、寿泉堂綜合病院、星総合病院、総合南東北病院と病診連携を行っています。
これらの病院は全て福島県立医大泌尿器科の同門ですので、来院された方が市内の場合には、最も適した治療が行える病院をご紹介できると考えています。

もちろん、HIFU療法、トモセラピー、小線源療法など現在郡山市内で行えない治療でも、行える病院をご紹介できます。

それが当院の役目だと考えています。

2010.02.20
診療
その他(医療関連)

限局性前立腺がんの低侵襲治療4

陽子線治療は、癌の治療法で、放射線治療の一部です。
通常の放射線は、皮膚の部分が放射線の量が最も多く、身体の中に入っていってから徐々に減っていきます。そのため、皮膚から癌の部分までと癌より後ろの部分にもかかってしまい、副作用が生じます。

これに対して、陽子線は体内に入っても表面近くではエネルギーを放出せず、一部の深さでエネルギーを放出して大きな線量を組織に与える性質があります。
エネルギーが強い部分を決められるので、その部分だけ強いエネルギーを出すことが可能となります。

通常の放射線治療では、体内に入るにしたがって放射線量が減少するので、病巣の前後にある正常の組織も有る程度の放射線が及び、副作用を生じる原因になりますが、陽子線の場合には病巣のみに効率よく線量を集中でき、副作用を少なくできます。

脳腫瘍、頭部の腫瘍、肺がん、肝がん、骨軟部肉腫、前立腺がんなどが適応とされています。

前立腺のすぐ後ろには大腸があり、大腸に放射線がかかると副作用が出る恐れがあります。
周囲への影響が少ない治療はとてもいい治療となるでしょう。

ただ、保険適応がなく、現時点では300万円くらいの費用がかかります。
全国でも治療ができる施設は7施設しかないのですが、郡山市にある南東北病院で行われています。

2010.02.18
診療
開業 / 病院経営
研究
その他(医療関連)

遠方から患者さんの相談が有りました。

先日、どう考えても通えないような遠方の患者さんが相談に来ました。
250kmくらい遠方なのですが、雪の日でしたが高速で運転して来たそうです。

透析を始めてから、手指の痛みが強いとのことです。
オンラインHDFを行うことで良くならないかという相談でした。
1ヵ月ぐらいなら、近くに宿泊して透析を受けることができるとのことでした。

話を聞いたところ、週3回3時間の透析を受けているそうです。
痛みが、透析に起因するものでしたら、オンラインHDFを受けることはいいことですが、まずは3時間から4時間への時間延長を行ってみてはどうかとお話ししました。

もしくは、もう一度整形外科で原因を調べてもらうべきだとお話ししました。
透析歴がアミロイドが貯まるほど長く無かったからです。

でも、通院中の病院の整形外科では、透析を受けているのだからしょうがないと言われたそうです。
昔からよく言われるのが、『透析を受けているのだからしょうがない』。。。

現在では、しっかりした透析を行っていれば、元々も合併症が有って治療が難しいということは有っても、透析を受けているのだからしょうがないということはないとお話ししました。

透析を受けていても整形外科的な治療で改善する症状はたくさんあります。
当院より遙かに近い所にある、透析治療が有名で、なおかつ整形外科がある総合病院をお伝えしました。

整形的な治療で難しく、透析不足から生じている症状なら、十分な透析を行えば改善する可能性がありますので、時間延長や血流を上げたり、ろ過透析を希望すると言う選択肢も有ります。

困っている方は沢山いるのだと思います。
しっかり透析を行えば、全て解決すると言うことではないとは分かっています。
たとえば、家庭環境からうつになっている方や、合併症から栄養障害を起こしている方など。

ただ、基本はしっかり透析です。
「健全なる精神は健全なる身体に宿る」と言われるように、透析者は、十分な透析を受けるということから全てが始まると考えています。

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

カテゴリー

月別アーカイブ

サイト内の記事を検索

よく読まれている記事

リンク