2011.09.30
診療
研究

たまに本業の事も書きます。

最近、放射線の話ばかりしているので、たまには本業の話をしなければなりません。

先日のHDF研究会でRestless Legs症候群を改善させるためには、α−1マイクログロブリンの除去率を35%以上とすると言う話が有りました。

当院ではどうだろうと思い、現在いる70名で除去率を計ってみました。

5型のダイアライザーを使用して、5時間透析、血流400ml/minの前希釈オンラインHDFの方が35%を越えていますが、やはりα−1マイクログロブリンを十分に抜くのは大変なようです。

それならば、β2マイクログロブリンはどうかという事で、年に数回行っている測定で除去率を見てみました。

70−75%抜けている方が一番多かったようです。
90%以上の方がいてちょっとビックリでした。

除去率も重要ですが、前値が低ければ除去率も下がります。
前値の目標は20と考えていますが、なかなか難しいようです。
少なくとも20台を目指しています。

前値のグラフです。

おおむね30未満なんですが、40以上の方がいました。

当院でも4時間透析の方が20%近くいます。
積層型の人もいますし、アルブミンの漏出量を減らすような膜を使っている方もいます。

そのような方かなと思ったのですが、なんとビックリ。
実は、α−1マイクログロブリンの除去率を35%以上の方でした。
この方は、5型のダイアライザーを使用して、5時間透析、血流400ml/minの前希釈オンラインHDFの方です。
除去率は90%超えています。

前値が高く、後の値が低いので除去率が大きくなっています。
ちなみに、前回までのβ2マイクログロブリンはどうかというと、平均すると25くらいの数値でした。

なんで今回だけ高いのだろう、水は綺麗なのに、なんて考えていつも仕事しています。

たまに、放射線の事も考えていますが、多くの時間は患者さんの事を考えて診療を行っています。

ちょっと本業の事を書かせていただきました。

 

2011.09.29
研究
仕事 / 職場
生活 / くらし

福島の医師、12%が自主退職…原発から避難?

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110928-OYT1T00658.htm

東京電力福島第一原発事故後、福島県内の24病院で常勤医師の12%に当たる125人が自主退職していたことが、県病院協会の調べでわかった。

 原発事故からの避難などのためとみられ、看護師の退職者も5%に当たる407人(42病院)に上った。県内の病院では一部の診療科や夜間救急の休止などの影響が出ている。

 調査は7月下旬、県内の医師らの勤務状況を調べるため、全139病院のうち、同協会に加盟する127病院を対象に実施。54病院から回答を得た。

 主な市町村で、原発事故前の医師数に占める退職者の割合が高いのは、南相馬市の4病院で46%(13人、警戒区域の1病院1人を含む)、いわき市の5病院で23%(31人)、福島市の6病院で9%(41人)、郡山市の4病院で8%(25人)。

 看護師では、南相馬市の4病院で16%(44人、警戒区域の1病院2人を含む)、いわき市の7病院で8%(113人)、福島市の9病院と郡山市の6病院は4%でそれぞれ68人、54人減少した。

(2011年9月28日14時33分 読売新聞)

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これが福島の現状です。
浜通りは別として、福島や郡山では子育てをしている若い医師を中心に退職が増えています。

しかも、妻子を県外に避難させて仕事をしている医師もたくさんいます。
ずっと妻子と離れた状態でいることは辛いです。
放射線量が下がらなければ、家族が一緒に生活する為にもっと医師は県外に出て行ってしまいます。

しかも、研修医が福島での研修をさけていく可能性も有ります。

一番にやられるのは救急です。
これは、問題化してからでは遅いことです。
何とかして欲しいといつも考えています。

2011.09.29
生活 / くらし

反原発運動

先日、業者さんがやって来て、先生は反原発運動をやっていると言う話が出ていると言うことを聞きました。

ちょっと、ビックリしたのですが、ブログで過激な事を書いているので仕方無いかなと思いました。

我々福島県民に反原発かと聞くことは、水俣病の方に反チッソなのかとか、四日市喘息の方にコンビナート嫌いかとか聞いている様なもので、ほとんど???です。

先日ロンドンブーツの1号だか2号が反原発とTwitterで発言したらニュースになっていましたが、大きな事故が起こって、収拾が付かない状態で事故を起こすような事業を止めろと言うのは当たり前です。
まだ、冷温停止していない事を皆さん忘れてしまっているのではないでしょうか。

郡山駅前で日曜日に原発反対集会でもあるようなら、いつでも参加したいと考えていますが、現状は、通院中の患者さん達の事や、スタッフや家族の事を考えるのが精一杯でそれ以上のことに対して何か行うことは無理です。

とにかく、子ども達が安心して暮らせる福島に戻してほしい、福島で生活してる人間は、その事を願っています。

2011.09.27
生活 / くらし

醜いとしか言いようがないですね。

http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9381949EE0E4E296988DE0E4E2EBE0E2E3E3E2E2E2E2E2E2

 

賠償請求書に「一切異議申し立てぬ」 東電、署名求める
文言は削除へ

2011/9/26 17:01

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醜いとしか言いようがないですね。
昨日来院した仮設住宅の患者さんも同様な事を言われたと怒っていました。
あまりにも怒ったので頭痛が出てきたため受診されました。

もうすぐ90才になる患者さんは、あと2,3年で帰れる訳無いのだけど、仮設住宅で死にたくはないんだと話してくれました。

本当に辛い思いを皆さんされています。
東京電力の幹部の方々には是非ともこのことを理解して欲しいです。

2011.09.26
生活 / くらし

福島で子育てをすると言うこと

週末、両親が郡山にやって来ましたので、磐梯熱海温泉に行ってきました。

旅館について、母が子供たちを連れて散歩に行こうとしたので、慌てて旅館の方に環境放射能の数値がどのくらいかを聞きました。
0.3マイクロシーベルト毎時くらいとのことで、行ってきても良いと伝えました。

郡山では、放射能の数値を聞くのに、『この辺りの数値はどのくらいですか。』で通じます。

温泉に入った後に夕食を頂きました。
私の両親が子供たちにキノコを食べさせようとしていたので、それは止めてくれと言いました。
食品の放射能検査データでもキノコ類は数値が高いからです。

福島県産のものでないかもしれませんが、それはわからないので食べさせません。
両親が、それならば野菜などを送るよと言ったのですが、別に福島でも福島以外の場所で取れた食材を買うことは出来るので、その必要は無いと話しました。

そんなことより、福島で子育てをするためには、どこで遊ばせて良いのかとか、何を食べたら安全なのかとか、普通だったら全く考えなくていい事を考えなければ子育てが出来ないと言う事をたくさんの方に話して欲しいと言いました。

震災から半年も過ぎましたので、関東では原発事故の事も話題にならなくなっているようです。
でも、福島県民は今でも放射線に脅えながら生活していると言う事を全国の皆さんに伝えていきたいです。

プロフィール

援腎会すずきクリニック院長 鈴木一裕

こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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