福島県郡山市にある人工透析と泌尿器科の専門施設、援腎会すずきクリニックの紹介、診療に対する考え方、お知らせなどのページです。

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こんにちは、援腎会すずきクリニック院長の鈴木一裕です。

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双葉病院のこと

2012年10月01日|カテゴリー:診療

 

<双葉病院>「患者死亡は原発事故が原因」独自報告書


双葉病院院では、震災直後に多数の患者さんが死亡した問題について独自の調査結果を公表し、院長先生から患者さんのご家族への説明会が行われたようです。

「多数の死亡は原発事故が原因」と結論づけ、「でき得る限りのことはやった。病院側の過失はない」としています。

その事について、「本当に病院に過失がないのか」「謝罪がない」などと反発の声も上がったそうです。

遺族の方からなぜ院長から説明が無かったかと言う話が有ったようです。

実際は、鈴木院長自身が約10軒の遺族宅を訪問したが、ほとんど門前払いされたため、以後は事務職員が対応する様になったと説明しています。
福島県が早い段階で双葉病院が患者を置き去りにしたと発表し、マスコミがその事を報道した為です。

質疑応答の際に、遺族からは、「悪くないのは分かっている。しかし、院長に謝ってほしい。それだけを聞きに来た」「誤るだけでも、謝らないとおかしいのではないか」「土下座しろ」などの発言があったようで、その事に対し、院長先生はショックを受けていると報道されています。

我が子が同じ状況で施設にいたら、先ずは迎えに行って一緒に逃げると思います。
原発事故後に家族の安否を確認する為に訪ねた方達もいたと思います。

批判されるかもしれませんが、これだけの異常事態が起こった時に、最善を尽くした医療者をきちんと管理しなかったと責めることはどうかと思ってしまいます。

僕も震災直後は考えました。

逃げられない透析患者をどうするか。


本当に震災直後は郡山からもたくさんの人が逃げたのです。

那須から新幹線が動いていて、新幹線に乗った人達が乗り捨てた車の列が20km近く離れた白河まで続いてました。

途中、患者と家族の両方を支えることは出来ないと考えて、家族に逃げてもらうことにしました。
ただ、何時何が起こってもおかしく無い状況で、タクシーで那須に家族を行かせるのも不安で、白河に近い職員によろしくと頼み家族を送らせました。

最悪、逃げられない患者とクリニックで透析を継続する事を真剣に考えていました。

だから、今回のことは一生懸命やってのことで、非難されるべきでは無いと思います。


追伸)
もっとも、ご家族の多くのかたは病院の説明に納得されていたと記事には書いてありました。
それを書いておかないと申し訳ありません。

郡山市肺炎球菌ワクチン接種助成事業実施について

2012年01月24日|カテゴリー:診療

平成24年1月25日より郡山市肺炎球菌ワクチン接種助成事業が始まります。

これまでは、福島県内に住所を有する方で、70歳以上の方に対して日本赤十字社が被災地復興支援の1つとして肺炎球菌ワクチン接種助成事業が行われましたが、今回は、65歳以上の郡山市民を対象としています。

期間は、1月25日から3月31日までとなります。

医療機関は接種希望者が対象者であるかを保険証等で確認することとなっています。
希望される方は、保険証を持って接種を行う医療機関を受診してください。

もちろん当院でも行いますので、希望される方はいらしてください。

オンラインHDFの保険点数が適正化される見通しです。

2012年01月16日|カテゴリー:診療

1月13日に行われた第214回中央社会保険医療協議会総会総会で、前回の改訂で保険請求可能となったものの非常に低い評価であったオンラインHDFが再評価される事になったようです。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001zphk-att/2r9852000001zplz.pdf

 

長いですが、一番最後の部分です。

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Ⅳ-4 相対的に治療効果が低くなった技術等の適正な評価について

(2)人工腎臓について、包括されている医薬品の実勢価格やエリスロポエチ ン製剤等の使用実態を踏まえた点数の見直しを行うとともに、慢性維持透 析の合併症等に対して、有効性が明らかになりつつある新しい血液透析濾 過についての評価の新設等を行う。
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エリスロポエチンの納入価が下がった分包括化された保険点数を下げると言う内容の後に新しい血液ろ過透析の保険点数を新設すると書かれています。

オンラインHDFは透析液の清浄化を前提とした治療法です。
この治療が評価されたと言うことは大変喜ばしい事だと思います。

 


除染について

2011年11月19日|カテゴリー:医療制度 / 行政

福島市の除染マニュアルを見ると、

『市民の生活空間の除染を早急に行うためには、個人住宅、集合住宅、 共通の生活空間である生活路及び子供達の通学路の除染は、そこに生活する各世帯 さらにその町内会が協働して行う』となっています。

町内会や子供会からも通知が来て、除染活動への積極的な参加を促しています。
なんで、放射線をまき散らかされた我々がその掃除をしなくてはならないのだろうと感じています。
そう感じている人達は少なく無いと思います。

その根拠は、

放射性物質汚染対処特措法
平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法

によります。

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平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法(平成23年8月30日法律第110号、略称放射性物質汚染対処特措法)は、2011年3月に発生した東日本大震災による東京電力の福島第一原子力発電所事故による放射性物質で汚染されたがれきや土壌などの処理のための法律。
2011年8月30日に公布され、一部を除き同日施行された。福島原発事故が原因の環境汚染に対処する初めての法律[2]。
民主党、菅直人政権下で公布された最後の法律(法律第百十号)である。

その第一章 総則の第一条(目的)には「事故由来放射性物質による環境の汚染への対処に関し、国、地方公共団体、原子力事業者及び国民の責務を明らかにするとともに、国、地方公共団体、関係原子力事業者等が講ずべき措置について定めること等により、事故由来放射性物質による環境の汚染が人の健康又は生活環境に及ぼす影響を速やかに低減することを目的とする。」とあり、個々の日本国民にも一定の責務(第六条 国民の責務)を付与している。

ウィキペディアより

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我々のよく知らないところで、地域の除染は地域住民が行うという法律が出来ていたのです。

現時点で、汚染された我々が住んでいる土地の除染に対して、東京電力株式会社は何も行っていません。
全ての除染を我々住民に押しつけています。

こんな法律、いつの間に出来ていたのかとビックリしました。

しかも、中央では原発再稼働の声が次第に大きくなってきています。
明日は、福島県議会選挙です。
福島県の方向を決める為の重要な選挙だと思います。
しっかり自分の意志を示す事が大切です。

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ドクターヘリ

2011年02月19日|カテゴリー:診療

先日、医科大学の救急救命部に勤めている同級生が福島県のドクターヘリについて講義をしてくれました。

これまであまり関心が無かったのですが、すごい事をやっているのでちょっと書いてみます。


福島県ドクターヘリのホームページより

事故などで救命救急が必要な患者さんが発生した場合には、現場から救急車の要請があり、救急車が患者さんを乗せて病院に向かうのが普通です。
患者さんの状態が悪く一刻を争うときには、病院に患者さんを届けている間に状態が悪化する事もあります。
そのため、以前勤めていた太田西ノ内病院にはドクターカーがあり、医師が駆けつける体制が出来ていました。

ただ、福島県は山間部が多く、田舎に行けば行くほど救命率が下がります。
ドクターヘリは、その事故現場に医師と看護師を送り届けることで、医師が行える緊急処置を早急に出来る様にしたものです。

ドクターヘリは、東北地方で初めて福島県に導入され、平成20年1月から福島県立医科大学附属病院に常駐し、救急要請があると救急救命部の医師と看護師が出動しています。

要請の電話が入り、ヘリポートまで急いで駆けつけて2分。その後ヘリコプターで猪苗代くらいなら10分で到着するそうです。
ですから、事故現場にその地域の救急車両が到着する頃に救命救急の医師と看護師も現場に到着するというのです。
これまでも生死をさまよったたくさんの方の命が救われてきたそうで、現在では1日1件以上の出動回数となっています。

この体制を救急科の医師7名で維持しているとのことです。
自分が当番の時は、いつ呼ばれるか判らない状態でいつでも行ける体制を整える事は大変でしょう。
食事も麺類は食べられないんだなんて言っていました。

ヘリコプターに乗って山間部に行くことが多いですが、常に天候が良いわけでもなく、着陸する場所も良い場所が無い場合もあるそうです。

身体を張って救命救急に取り組んでいる事を聞いてとても尊敬しました。
まあ、高所恐怖症の僕では絶対に出来ない仕事です。

http://www.fmu.ac.jp/byoin/DrHeli/index.html

福島県ドクターヘリのページです。
ご覧になってください。

オンラインHDFの問題

2010年11月16日|カテゴリー:診療


ぜんじんきょうNo242

全腎協が9月21日に厚生労働省に対し、本年度診療報酬改訂で問題があった3つの点について、その内容について質問をしたようです。
今月号の『ぜんじんきょう』に載っていました。

抗凝固剤フサンの使用制限、オンラインHDFの機種選定、入院患者の他科受診に伴う診療報酬減算です。

入院患者の他科受診に伴う診療報酬減算については、以前も書いたことがあります。
フサンの使用制限については、クリニックではほぼ使用しない薬ですので、あまり影響がありません。

オンラインHDFの機種選定についての質問があり、回答があったようですが、オンラインHDFそのものの取り扱いではないので、何とも言いようがないです。
でも、これまで話しにも出なかったオンラインHDFの話しが出てきたのは良いことだと思います。

HDFという治療法は、HDよりも優れている事は分かっていますが、費用がかさむため、適応となる人を限定しています。
そこで、なるべく安価にそしてなるべくたくさんの方にHDFができるように苦慮して考えられたのがオンラインHDFです。

だから、オンラインHDFをHDFの枠である診療報酬2 その他の場合 とすることは反対です。
それでは、オンラインHDFを行える方が限られてしまうからです。

このように優れた技術を引き続きできるようにと言う事を、全腎協には頑張って訴えていって欲しいですね。

インフルエンザワクチンの接種料金

2010年09月03日|カテゴリー:診療

インフルワクチン接種、10月以降も当面国の事業で-厚労省案

厚生労働省は7月28日、新型インフルエンザ対策担当課長会議を開き、自治体などの担当者に10月以降のインフルエンザワクチンの接種事業の案を示した。

それによると、継続審議となっている予防接種法改正案が成立し、同法上の新臨時接種を開始するまでは、国がワクチン接種の実施主体となり、医療機関は国とワクチン接種に関する委託契約を結ぶ。

ただ、新臨時接種の開始後は市町村に実施主体が移ることを前提に、医療機関の確保や接種費用の設定は市町村が行うとしている。

医療介護CBニュース 7月28日(水)22時54分配信

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先日とあるメーカーから聞いたのですが、今年のインフルエンザワクチンは、これまでのインフルエンザと新型のどちらにも対応できる混合型だそうです。

そのため、今年はこれまでと違い、接種費用の設定は市町村が行うことになります。

今まで、インフルエンザワクチンの接種費用は各医療機関でまちまちでした。
昨年ですが、4000円から5000円くらいするところも有りますが、安いところでは1500円程度の医療機関が有ることも聞きました。

それが、今年は市町村で一律となると言うことです。

外来が混雑するためにあえて高い摂取料金を設定していたところは、他で受けていた人たちが希望してさらに混雑するでしょう。

当院は、開院間もない一昨年、そして昨年は、クリニックを認知してもらえるように安価な価格を設定していましたが、今年はそれが出来なくなり残念です。

なんだか、価格を統一させることで、ワクチンの接種料金が上がってしまうのではないかと危惧します。

つまり、受けない人が多くなり、インフルエンザに感染する人が増えてしまわないかということです。

考えすぎだと良いのですが。
どうでしょうか。

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透析専門医の少ない県

2009年10月07日|カテゴリー:診療

先日、日本透析医学会から通知が来ました。

学会では、血液浄化療法に関連する医学と医療の進歩に即応した優秀な医師の養成をはかることと、透析医学の向上発展をうながし、国民の福祉に貢献したいと考えており、そのために透析専門医制度を充実させたいと考えている。

そのため、来年の透析学会総会で透析専門医のセッションを行うことが決まり、透析専門医、指導医の臨床研修を行う認定施設または教育関連施設の少ない都道府県の現状及び問題点を把握するために、対象となる県の透析専門医・指導医に対してアンケートを郵送してきたそうです。

そこで、郵送されて来た県の一つが福島県であり、透析専門医の僕に送られてきたようです。

福島県が透析治療で遅れていると言うことでは無いと思います。
しかし、宮城県の社会保険仙台病院、新潟県の信楽園病院、山形県の矢吹病院のように透析治療の中核となる病院が無いことも事実です。

ただ、年2回行われる福島県腎不全研究会では、医師、技士、看護師が積極的に発表を行っており、個々の透析に対する情熱は他県に負けていないと考えています。

透析診療は、とても奥が深い診療です。
そして、患者さんとスタッフとともに努力すると、明らかに患者さんが元気になり、データが良くなります。

患者さんが良くなって、データが改善するのを実感しているともっともっとやりがいが出てきます。
これからも良い治療を提供していくように頑張っていきたいと考えています。

透析の時間について

2008年12月19日|カテゴリー:診療

医療機関の収入は、2年ごとに更新される診療報酬に基づき計算されます。
今年の4月の改訂では、様々は方面からの働きかけで、時間区分に基づく透析診療報酬が復活しました。

平成14年の診療報酬改定で,透析時間区分が廃止されてから4時間未満の透析時間の比率が増加していました。

時間を短くしても診療報酬が同じであれば、使用する水や施設コストは減りますし、スタッフも早く帰れる、患者さんも辛い透析が早く終わるので、急速に時間を短くする施設が増加しました。

でも、それで良かったのでしょうか。
辛い透析の原因は何だったのでしょうか。

短い透析長期間行っていると、透析後に調子が悪く なり、自宅になかなか帰れない患者さんが多くなります。
本来は、時間をかけてゆっくり除水することが大切であり、患者さんの身体に負担がかからない透析をすることが大切なのです。

平成19年11月26日に日本透析学会と日本透析医会から連盟で出された要望書でのデータの中には、透析時間と生命予後に関するデータが有りますので、グラフにしてみました。

と言うように、もっとも一般的な4時間透析している患者さんを1とすると、3.5時間の患者さんでは1.285倍、3時間以下では1.862倍も危険度が高いことが示されています。
逆に4.5時間では0.708倍、5時間以上では0.653倍と危険率が低くなっています。

統計的なことはよく分からないのですが、4時間透析をしている人より5時間以上の透析をしている人は、1.6倍長生きするということでしょうか。

以下は要望書に書かれた文章です。
どうぞご覧ください。

短時間透析の生命予後が不良なことは述べたとおりです.
この他,たとえば長期合併症である透析アミロイドーシスの原因となるβ2-MGなど分子量の大きい溶質の除去は,透析時間が最大の規定因子で,透析では時間をかけないと除去できません.

また,短時間透析では,血管内老廃物の除去は十分でも,組織間液や,細胞内披からの除去には,十分な時間をかけることが重要です.

この他,短時間透析では急激な体液量および溶質濃度の変化により,急激な血圧低下や不均衡症候群と呼ばれる苦痛を伴う副作用が出現する可能性が増加します,

先に示したまだ残腎機能がある糖尿病性腎症透析患者でも,あるいはこうした患者ほど,短時間透析では副作用が出現しやすく,むしろ時間をかけた透析のほうが安全で無症状であるといえます.

http://www.wam.go.jp/wamappl/bb11GS20.nsf/0/b704820fea6fd122492573df00185346/$FILE/20080130_2sankou3.pdf

 

 

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前立腺がん検診について2

2008年11月24日|カテゴリー:診療

これだけPSA検診が有用だと言われているのに、なぜ厚生労働省は『死亡率減少効果の有無を判断する証拠が現状では不十分』と言っているのでしょうか。

実は、世界的にも未だに評価が分かれているのも事実です。
その理由が、前立腺がんが非常にゆっくりと進行する癌であり、発癌から癌で亡くなるまでに40年以上の経過が必要だと言われているからです。

つまり、生前癌と診断されず、亡くなった後に解剖することで確認される『潜在癌』がとても多く、70歳以上で40%以上いると言われているからです。

つまりは、「前立腺がん検診が普及した場合におこる前立腺がん死亡率低下の中で、過剰診断、過剰治療を被っている受診者がいるのではないか」という点を指摘しているのです。

厚生労働省が危惧しているのはこの点であり、前立腺がん検診を行うことによる無駄な医療費を作りたくないと言う考えがあるのかも知れません。

それから、最近では後期高齢者医療制度も出来てから、いろいろな論議が起こっていますが、前立腺がんが非常に進行が遅い癌であり、図でも示しました様に、後期高齢者で増え続けている癌であるという特徴があります。

国が積極的にがん検診を行うのは、働き盛りの方の癌を減らすことを目的としています。
そう考えると、後期高齢者に多い前立腺がんは、積極的に検診を行う必要のない癌であると考えられているのかもしれません。

ただ、我々泌尿器科医が、何もしていないわけでは有りません。
世界的には、死亡やQOLの低下に影響しない癌を治療前に選別して、治療を行わず、経過観察を行う方法も行われています。

我々も、PSAが4以上であっても、症状がなく直腸診で進行した前立腺がんが疑われなければ、高齢者では十分な説明をした後に、積極的な検査を行わず、経過を見ることも行っています。

泌尿器科学会でも、近い将来は、必要のないと思われる方への検査や治療の問題も解決していき、検診の有用性もこれまで以上に高くなるのではないかと記載しています。

厚生労働省の研究は、調査に基づく研究です。
我々は、目の前で苦しんでいる前立腺がんの患者さんと接しています。

現場の声として、50歳以上の男性には、是非とも前立腺がん検診を受けてほしいですし、検診が受けやすくなるシステムを確立していきたいと考えております。

今回、この記事を書くにあたって、一般の方に分かりやすく書くために、用語がちょっとずれてしまっているところがありますが、ご了承ください。

 

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